カラコンを選ぶ時にはいろいろなポイントがあります。その中のひとつが「酸素透過率」です。カラコンの酸素透過率ってなに?どんな影響があるの?
この記事では、酸素透過率についてのいろいろな疑問にお答えしていきます。
カラコンの酸素透過率とは?概要と確認方法を紹介します
カラコンの酸素透過率とは?
カラコンの酸素透過率とは、レンズがどのくらい酸素を通しているかを数字で示したもののことです。
普段の生活で意識することはないと思いますが、人の目・・・角膜は、呼吸をしています。そこにカラコンを入れて瞳を覆ってしまうと、目の呼吸ができなくなってしまいます。そこで重要なのがカラコンの酸素透過率なのです。
カラコンの酸素透過率が高ければ高いほど、目にかかる負担が少なくなります。実際、酸素透過率が低いカラコンを使用していると目に違和感を覚えることがあります。目の酸素不足は、思った以上に目へのストレスになってしまうのです。
つまり、酸素透過率が高いカラコン=目に優しいカラコンということになります。
ソフトコンタクトは酸素透過率が低い?
コンタクトレンズには、ハードレンズとソフトレンズがあります。昔は、ハードレンズの方が酸素透過率は高く、ソフトレンズは酸素透過率が低いと言われていました。カラコンはソフトレンズですから「目に良くない」というイメージを持っている人もいらっしゃるかもしれません。
ですが、技術の進歩でカラコンの酸素透過率は高くなってきており、目への負担も少なくなっています。負担が全くないというわけではありませんが、カラコンだから酸素透過率が低い!なんてことはありません。
なぜ酸素透過率が重要なの?
カラコンの酸素透過率がカラコン選びで重要なポイント・・・そんなことを言われても「見た目には全く影響しない」のにどうしてなの?と不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。
先ほども少し触れたのですが、目は呼吸をしています。酸素を取り入れることで代謝をしているわけですが、レンズで目を覆ってしまうと呼吸ができなくなってしまいます。この目の酸素不足は角膜にとって良い状態とは言えません。
目が酸素不足になると、傷がつきやすくなり感染症を起こす原因になることも考えられるのです。
確かに、カラコンの酸素透過率は見た目には全く影響はありません。ですが、目への負担と安全にカラコンを装着するという観点から見ても、非常に重要なポイントなのです。目は私たちが思っている以上にデリケートなのです。
【素材別】カラコンの酸素透過率
カラコン選びで重要な酸素透過率ですが、実はレンズの素材によって酸素透過率が違います。実は、カラコンに使われている素材はひとつではありません。
素材別の酸素透過率を見ていきましょう。
HEMA
HEMAは、ヒドロキシエチルメタクリレートです。以前からソフトレンズの素材として使用されていたものです。
HEMAの特性としては、まず、水にとてもよくなじむという点です。ですので、レンズを入れたときの違和感が少なく装着したときはとても付け心地がよいと感じます。ですが、この素材は、酸素透過率は決して高くなく、むしろ低いほうです。つまり、装着したときの感じがいいからといって、長くつけていると目が酸素不足に陥ってしまいやすいということです。装着感がいいのが特徴ですが、長い時間の装着にはあまり向いていないと言っていいでしょう。
シリコーンハイドロゲル
シリコーンハイドロゲル低含水率の素材です。ですが、酸素透過率は高く、目の酸素不足を起こしにくい素材のです。また、低含水率の素材のため、乾燥しにくいのもその特徴としてあげられます。この素材は、水より高い酸素透過性を実現しており、装着時の目への負担を大幅に減らすことができます。酸素透過率が高く低含水率という目に優しい側面がある一方で、汚れがつきやすいという難点もあります。
どうしても装着時間が長くなってしまうという方には向いているレンズです。
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レンズの大きさDIAも酸素不足に影響する?
カラコンをつけることで起こる目が酸素不足による負担を軽減するために重要な酸素透過率ですが、酸素透過率と併せて目の酸素不足に関わるのがレンズの直径DIAです。
DIAはレンズそのものの大きさのことで、カラコンの色がついている部分の直径を表す着色直径とは違います。
DIAが大きいほど、目を覆っている部分が広くなるということですから、酸素不足になりやすくなります。ですので、酸素透過率が低くDIAが大きいカラコンは、目への負担がより大きくなるということです。
目への負担という観点でカラコン選びを見ていくなら、酸素透過率と併せてDIAも考慮するとよりよいでしょう。
カラコンの酸素透過率の確認方法
カラコン選びで酸素透過率がとても重要と言うことはご理解いただけたかと思いますが、では、どうやって確認すればいいのでしょうか。
酸素透過率は「DK/L値」で確認する
カラコンの酸素透過率は、「DK/L値」で確認することができます。この数値が高い方が、より酸素透過率は高い・・・つまり、酸素を通しやすいレンズということになります。
DK値の「D」というのは、カラコンのレンズの中で酸素がどのくらい移動しているかを表したものです。そして、「K」はカラコンの外から中に酸素がどのくらい入っていけるかを数字にしたものです。
そして「L」は、レンズの厚みでのこと。つまり、酸素の動き安さの「D」と外から中に酸素の入りやすさを示した「K」をレンズの厚みで割って出すのがDK/L値となります。
カラコンを選ぶときには、先ほどご紹介した素材とDIAそして「DK/L値」で酸素透過率を確認しましょう。
どのくらいの酸素透過率がいいの?
コンタクトレンズの酸素透過率の基準値は80DK/Lです。80DK/Lのカラコンであれば、何もしてしない状態の97%以上の酸素透過率がレンズにあるということになりますので、目への負担がかなり低くなります。この「DK/L値」ですが、最低でも30はあった方がいいとされています。もちろん、高い分には問題ありませんのでできるだけ「DK/L値」が高いカラコンを選ぶようにしましょう。
インターネットでカラコンを購入する場合、「DK/L値」が記載されていないケースもりあますが、カラコンを販売している店舗に対して「DK/L値」をホームページで表記する義務は課されていません。ですので、時々、ホームページでは確認できないこともあります。
ですが、カラコンのパッケージには必ず「DK/L値」が記載されています。ですので、パッケージの画像をよく見れば「DK/L値」が解るハズ・・・。どうしても分からない場合は、素材を基準にカラコンを選ぶか、もしくは直接販売店に問い合わせて酸素透過率を確認してから購入するのがオススメです。
まとめ
カラコン選びで重要なポイントとなるのがレンズの酸素透過率です。酸素透過率が高いほど目への負担が少ないということになります。目は常に呼吸をしていますから、レンズの酸素透過率は高い方が好ましいのです。
カラコンの酸素透過率は「DK/L値」で確認することができます。また、素材によっても酸素透過率が違うので、できるだけ酸素透過率が高いカラコンを選ぶのがオススメです。
インターネットの販売店では、ホームページ上に「DK/L値」が表記されていない場合もありますが、パッケージには必ず記載されていますので、確認してから購入するようにしたいですね。
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